Rock,Pops メロディ研究所

Rock、PopsのCDレビューを掲載します

Top Page › M-O › Neil Young › Neil Young   Tonight's the Night
2021-02-25 (Thu) 20:10

Neil Young   Tonight's the Night

neil young tonights the night

Neil Youngの第6作。1975年リリース。

 

本作について語ろうと思うと、以前Jackson Browneの「The Pretender」の項で触れた、学生時代の友人との「芸術は作品そのもので評価すべきか、その背景も評価の対象になるか」の議論をまた思い出してしまう。

 

本作はリアルタイムで聴いた。結構聴き込んだ1枚だ。しかしその時は本作が作られたときのNeil Youngの状況など、所謂背景情報はほとんど承知していなかったように思う。確かに当時はネットなどなかった。しかし音楽情報誌などはあったし、知ろうと思えばある程度の状況を知ることはできたように思う。現物を処分してしまったので何とも言えないが、LPのライナーノーツにもある程度のことは書かれていたのではないか。しかしなぜか、特別な思いで本作を聴いた覚えがない。

 

当時の、本作に対する私のイメージは結構明るい。ブルース寄りでメロディを追える曲が少なった前作「On The Beach」から、本来のNeil Youngが少し戻ってきてほっとした、というような感じだったように思う。タイトルチューン「Tonight's the Night」も印象的なメロディを持つし、「Come on Baby Let's Go Downtown」はノリの良いロックンロール。続く「Mellow My Mind」はメジャーセブンス系コードも使ったメロディアスな佳曲だ。確かに当時も、ボーカルのヨレ加減には気が付いていたような気がするが、まあNeil Youngの人徳というか、日ごろの行いゆえというか、「まあ、これもありか」とあまり違和感なく受け入れてしまった。

 

そして「New Mama」はCSNYのために書かれたような曲だ。コーラスアレンジも、そしてそのコーラスアレンジを生かすようなメロディラインも、私が考える「本来のNeil Young」に近いものだった。そして「Tired Eyes」。この曲を聴いて、当時の私の本作に対するイメージは固まった。一度聴けば、自然にメロディが頭に浮かんでくる。Neil Youngのメロディメーカーとしての本領が発揮されていて、この時期のNeil Youngを代表する名曲だ。

 

しかしその後、本作が作られる前、Crazy Horseのギタリスト、Danny Whittenと、バンドのローディー、Bruce Berry2人が相次いでドラッグのために亡くなり、本作には2人に対する追悼の思いが込められているということを知った。そして、レコーディングはテキーラを飲みながら、ほとんど一発どりの、スタジオライブのような状況で行われたらしい。

 

そう思って聴くと、ジャケットの暗い色調にも合点がいく。また「Mellow My Mind」のNeil Youngのボーカルのちょっとした謎も、なるほどな、と思える。最後を飾る「Tonight's the Night (Part II)」ではバックのコーラスが入るところを間違えているが、それもそのまま収録されている。これも敢えてそうしたのだろうな、と納得できる。

 

しかし本作に収められたNeil Youngの名曲の価値には何ら影響はないと思う。結局、学生当時友人が主張していた「芸術は作品そのもので評価すべし」ということになるのだろうか。何だか40年越しで論争に負けたようで、何だか悔しい…。

 

1.Tonight's the Night

2.Speakin' Out

3.World on a String

4.Borrowed Tune

5.Come on Baby Let's Go Downtown (live at the Fillmore East, New York City, Mar. 7, 1970)    

6.Mellow My Mind

7.Roll Another Number (For the Road)

8.Albuquerque   

9.New Mama

10.Lookout Joe

11.Tired Eyes

12.Tonight's the Night (Part II)


最終更新日 : 2021-02-25

Comment







非公開コメント